
この間紹介してもらった「ほったらかし投資術」は参考になりました!
あんなシンプルな投資方法でおすすめなのあります?

それなら「ジェイソン流 お金の増やし方」はどう?
こっちもかなりシンプルな投資方法よ。
この記事では、『ジェイソン流 お金の増やし方』(厚切りジェイソン著)をもとに米国インデックスファンドを利用したジェイソン氏おすすめの投資法をお伝えします。本書で紹介されている方法の紹介に加えて詳細な解説を行っていきます。
こんな方におすすめな本です。
- まだ投資をはじめていない方
- 老後の資金の準備をしたい方
- FIRE(早期退職)を視野に入れて投資している方
- 投資の成果は出てほしいけど、時間をかけたくない方
- インデックス投資の実際の運用の仕方を知りたい方
- 個別株投資などインデックス投資以外の投資をされている方
「ジェイソン流 お金の増やし方」とはどんな投資方法?
3ヶ月分の生活費を残し、それ以外のお金は米国株インデックスファンドの購入費用に充てるというシンプルな投資方法です。
*もしインデックスファンドやインデックス投資についての基礎知識が十分でないと感じられる方は、まずはこちらの記事からご覧になってみてください。
購入するインデックスファンドを一つに絞っている点や、手法がシンプルで投資未経験者でも実践しやすい点など『全面改訂第3版 ほったらかし投資術』(山崎元・水瀬ケンイチ著)に通じる部分を感じます。
どちらの方法も、初心者でも思い立ったらすぐに実行できる簡単さを持ちながらも、優良なインデックスファンドを購入対象としているので、プロに大きく劣らない運用成績も狙えます。
*現在、証券市場では売買額のほとんどは機関投資家が占めています。特に広く市場をカバーした指標はプロの株価判断をまとめたものと認識してもよいレベルです。そのため、広く分散したインデックスファンドはプロに大きく劣らない運用成績が残せます。
どうして米国株インデックスファンドを勧めるの?
ジェイソン氏は米国株を対象としたETF(バンガード社のVTI)を購入しています。しかし、初心者がドル転(円をドルに替えること)して海外ETFを買うのはハードルが高いとして、自身で購入しているVTIと同じ指標に連動する楽天VTI(楽天・全米株式インデックスファンド)の購入を勧めています。どうして米国株に投資するのかという理由については次のような理由を挙げています。
ジェイソン氏が米国株インデックス投資をする理由
- 日本でも日常に浸透しているサービスや製品は米国のものが多い
- 経営者の株価上昇の意識が高い
- 120年間で680倍に上昇した成長力
- グローバル企業が多くを占める
- インデックスへの組入銘柄が入れ替わり、成績の良い企業が残る
上昇力を示す図表が印象でしたので、合わせて引用させていただきます。
引用:ジェイソン流 お金の増やし方 ぴあ株式会社 ![]()
管理人もリスク資産の6割程度を米国株インデックスファンドへ投資していますが概ね同意見です。特にこの10年での伸びが著しく、経済的には世界の覇権を握っています。
これまでに上昇していた分、短期的な調整はあるかもしれませんが、中長期的には魅力的な選択肢であり続けると考えます。
具体的な「ジェイソン流 お金の増やし方」の実行方法
ジェイソン氏は本書の3章で10の方法として記述していますが、内容的にまとめられると思われるものは統合して、重要と思われる部分は分割して解説していきたいともいます。なぜそのような方法を取るのか背景まで知りたい方はぜひ本書を手にとって見てください。
ポイント1:生活費の3ヶ月分を普通預金に貯蓄する。
ジェイソン氏は生活費の3ヶ月分を普通預金に貯蓄することを勧めています。管理人はFP2級を持っていますが、会社員や公務員など安定した給与所得がある場合は、何かあってもすぐに解雇される心配はあまり高くない上、高額医療費制度や雇用保険制度などもあるので生活費の3ヶ月分で十分と考えます。しかし、個人事業主の方などは、働けないと収入がストップしてしまうので、事業の借り入れの有無やお仕事内容によりますが1年以上の生活費は用意できた良いと考えます。
この生活費の3ヶ月分というのは、会社員の方には十分な生活防衛資金として機能し、なおかつ多すぎない絶妙な額だと感じます。
ポイント2:それ以外のお金は投資する。
管理人はこの部分がジェイソン氏の真骨頂だと思います。
印象的な部分なので引用させていただきます。
「収入の○割を投資に使おう」という考え方は僕は違うと思う。割合で考えてしまうと、収入がそれほど多くない人は生活を切り詰めて苦しい思いをしなくてはいけなくなるし、一方で収入が増えた時には割合で考えると生活費のお金が増えてしまい生活レベルを上げてしまう。そうではなくて、あくまでも生活レベル( 生活にかかる支出)は変えず、「月末に3ヶ月暮らしていける生活費を現金で残し、それ以外の収入を投資に回そう」というのが正しい僕の投資スタイル。
引用:ジェイソン流 お金の増やし方 ぴあ株式会社![]()
つまり、生活防衛資金以外は全て投資するということです。以前、「ほったらかし投資」の解説記事で「リスク資産の期待収益率」×「リスク資産の割合」で期待リターンが決まると書かせていただきました。
つまりリスク資産の割合が多ければ多いほど、期待リターンが大きくなります。ジェイソン氏が実践しているように、無リスク資産の割合を最低限にして、リスク資産を最大限に増やすことで高い投資効率を実現できます。
しかし、リスク資産を高めると資産全体の値動きも大きくなるので、下落局面では精神的にこたえるかもしれません。ジェイソン氏もコロナショックの際は毎朝マンション一部屋分のお金が減っていくような状態で精神的にきつかったと書かれています。(推計するに凄い資産額ですね…)
ポイント3:投資対象は米国インデックスファンドにする
米国株の強さは先に触れました。ジェイソン氏は米国株の海外EFT、バンガード社のVTIに絞って購入しています。しかし、ドル転して海外ETFを買うことはハードルが高いとして同じVTIの投資信託版である「楽天VTI」を購入対象として勧めています。
VTIは「CRSP トータル・マーケット・インデックス」という指標に連動しています。この指標は中小型株もカバーした4000銘柄に時価総額加重平均で指標を構成しています。米国株では、大型株中心の500銘柄で構成された「S&P500」の指標が有名ですが、カバーする範囲が異なります。ジェイソン氏は中小型株の成長性を取り込むため、「CRSP トータル・マーケット・インデックス」に連動するVTIに投資しているとのことです。
管理人としては、投資対象が海外ETFでなく、米国株インデックスファンドとすることは賛成です。ハードルが高いこともそうですが、現状の価格競争が進んだインデックスファンドの手数料水準は、ETFと遜色がなくなってきている上、海外ETFの購入時に往復で為替手数料がかかることや購入・売却時(SBI・マネックス・楽天などは購入時は無料となる銘柄もありますが)に手数料がかかる点を加味すると海外ETFを購入するメリットがなくなってきているためです。
インデックスファンドの銘柄選定は適切な水準にあるものの、楽天VTIの手数料がやや高いことを考えるとS&P500連動インデックスファンドも対象としても良いかもしれません。(ちなみに、本書執筆の3年前までジェイソン氏もS&P500連動ETFに投資しており、現在もそのまま保有されているそうです。)
理由としてはS&P500とトータル・マーケット・インデックスの値動きがかなり似ているためです。トータル・マーケット・インデックスは時価総額加重平均で指標化されているため、追加された3500銘柄は時価総額で見ると大きな影響力を与えにくいため、値動きが似てきます。そのため、購入対象は楽天VTIでも問題ありませんが、値動きが大きく変わらず、手数料が安いことを加味するとS&P500連動インデックスファンドも選択肢として考慮してもいいかもしれません。
本書で推奨されているファンド
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(信託報酬0.162%)→広く米国株をカバーしたい方、ジェイソン氏おすすめのファンドに投資したい方
手数料を抑えたい方は検討しても良いと思われるファンド
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(信託報酬0.0938%)→信託報酬最安でコストパフォーマンスが良い。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(信託報酬0.0968%)→純資産総額が大きく非常に人気が高い。購入できる証券会社も多い。
ポイント4:投資を始めたら売らない、やめない、そして再投資する
ジェイソン氏は基本的に運用の効率性を高めるため、分配金は再投資することと資産を売らないことの重要性を説いています。また、経済的には自立をしているものの複利の効果を活かすため、死ぬまで投資し続けると書いています。(筋金入りのインデックス投資家ですね…)
これはインデックスファンドをする上でもっとも重要な点の一つです。
米国株や全世界株などの優良なインデックスファンドに投資している場合は一時的に下落や暴落を経験しても、値を戻して最高値を更新していきます。(もちろん、未来の保証はありませんが、これまでの歴史ではずっとそうでした。)
よって、投資を始めたら老後や学費などで資金需要が発生しない限り、可能な限り売らずに投資も続けることが効率的です。また、基本的に分配金も効率優先で再投資します。こうすることで複利の力を最大限に発揮することができます。
ポイント5:税制優遇口座(NISAや積み立てNISA、iDeCoなど)を最大限活用する。
現在、値上がり益と配当金には20.315%課税されます。そのため、ジェイソン氏は非課税で運用できるNISAや積み立てNISA、iDeCoなど税制優遇口座を最大限活用することを勧めています。
管理人としては、投資を今からはじめられる方は途中で資金が引き出せるNISAや積み立てNISAをお勧めします。(売却した場合、投資枠は戻りませんし、基本はジェイソン氏の投資方針のように売却せずに保有します。)
老後資金と割り切っていれば、年末調整や確定申告で小規模企業共済等掛金控除で税額軽減が受けられるiDeCoが経済的に最もお得です。(ちなみに夫はidecoで掛け金の二割程度の額、所得税が軽減されています。)
その他:できる限り早く投資を始める、毎日の株価チェック、暗号資産などに投資しないなど
できる限り早く投資することは、複利の効果を活かして資産を大きくできる可能性が高まります。例え下落局面で投資を始めても後々から振り返ると安値で購入できたと捉え直せることも少なくないです。
毎日の株価チェックを行うとも書いてありましたが、管理人はインデックス投資での毎日の株価チェックは必要ないのではと思います。基本的にドルコスト平均法で定期買付を行うため、安くても高くても買うためです。(そうでなければ取得価格が平準化できずドルコスト平均法のメリットを活かせません。)ジェイソン氏は株価チェックはするものの、投資法は変えず、心の備えのために行っていると書いているので、真似るかどうかはご自身で判断されると良いでしょう。
ジェイソン氏は暗号資産やコモディティなどに投資しないことも重要と説いています。これらは、それ自体を保有することで利益を生み出さず、トレードにより、値上がり益を得るが必要になります。その他にも中国株や不動産など投資を控えたほうが良い資産を具体例を上げて紹介されています。
結論:現状では、最高効率で資産を増やせる投資法の筆頭!

全世界株に気持ちが傾いていたけど、米国株も捨てがたいね。
それにしても生活費3ヶ月分以外投資ってストイックだな~

このストイックさと米国株への投資がジェイソン氏の成功の秘訣よ。ここ10年は米国の強さが際立ってるし、現状で再現性高く資産を増やす方法の筆頭ね!
管理人は、超長期投資のiDeCoは全世界株、為替リスクの回避を目的に日本の高配当株も併用していますが、リスク資産の半分以上を米国株インデックスファンドに投資しています。
やはり、ジェイソン氏の勧めるように米国株の強さは光るものがあります。短中期的には調整として値を下げることもあると思いますが、長期的には依然として有望と思われます。
また、本書はそのような効率的な投資方法の紹介に留まらず、読み物としても大変面白いです。ジェイソン氏ならではの徹底した節約術が多く、割愛しましたが「ジェイソン流・本気の節約術」はここまでやるかと唸らされます。(交通費を浮かすため10キロ以上歩く、服は貰い物など)
また、NHKのプログラミングや英語の教育番組に出ているだけあって、教えることが好きなんだなと人柄にも好意を持ちました。
まだ読まれてない方には、楽しんでいただける内容かと思います。
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