【要約】「ほったらかし投資術」究極にシンプルな投資法とは?

投資本
うさぎくん
うさぎくん

ふくそうさんって投資本をたくさん読んでいるのイメージがあるけど、ぼくのような投資初心者におすすめの本ってあります?

ふくろうさん
ふくろうさん

初心者におすすめっていうと『全面改訂第3版 ほったらかし投資術』を読んで実践すれば、それだけでプロに負けない運用ができるはずよ。

この記事では『全面改訂第3版 ほったらかし投資術』(山崎元・水瀬ケンイチ著)をもとに全世界株インデックスファンドを利用した「ほったらかし投資」の実践方法をお伝えします。本書で紹介されている実行マニュアル6ステップに対して詳細な解説を行っていきます。

こんな方におすすめの本です。

  • まだ投資をはじめていない方
  • 老後の資金の準備をしたい方
  • 投資の成果は出てほしいけど、時間をかけたくない方
  • インデックス投資の実際の運用の仕方を知りたい方
  • 個別株投資などインデックス投資以外の投資をされている方

「ほったらかし投資」とはどんな投資?

まず、本書より公式の「ほったらかし投資」の定義と著者達が特に大事にしている部分を引用します。

著者達は、次のように定義したいと思います。

「プロが考える最善の運用に大きく劣らず、なるべく簡単に実行できる、個人にとっての資産運用の具体的方法」です。

(中略)

この「ほったらかし投資術」には、オリジナル版から一貫して、資産形成に掛ける手間とコストを節約して、「人生を良くすること!」にこそ時間とエネルギーとお金を使いたいと考える著者達の思想が強く反映しています。

引用:全面改訂第3版 ほったらかし投資術 朝日新書

管理人は、ほったらかし投資シリーズを3冊とも読んでいますが、どの本もこの定義にそって書かれていました。

実際の運用法は以降に解説しますが、良質なインデックスファンドを絞って購入することで、実行にほとんど手間をかけず、資産形成に対して費やす時間やエネルギーを最低限にして、プロの行う運用に大きく劣らない成績を実現することができます。

「ほったらかし投資」は何に投資する?

結論から言いますと全世界株インデックスファンドに投資します。全世界株を対象にしたインデックスファンドに投資することで、日本や米国を始めとした先進国、そして新興国とすべての株式市場に1本だけで投資することができます。

*もしインデックスファンドやインデックス投資についての基礎知識が十分でないと感じられる方は、まずはこちらの記事をご覧になってみてください。

管理人が読んで感じた全世界株インデックスファンドへの投資における最大の利点は、自動調整機能だと思っています。例えば、米国株の株価が上がった場合、自動的に米国株の割合を増やし、下がった国や横ばいの国の株式の割合が減らされます。

このような自動調整機能があることによって、長期でも安心してほったらかしにすることができます。

著者達は具体的な銘柄として「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を勧めています。

管理人もこの選択は最良のうちの一つかと思います。全世界株の「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動するもであれば、著者達は別のものでも問題ないとしています。

下に競合する選択肢も一緒に挙げておきます。著者達はコストの重要性を強く説いているので、私もいくらか購入しているコスト競争力の高いファンドも載せておきます。

第一選択肢

その他の選択肢

「ほったらかし投資」の実行方法

「ほったらかし投資」の実行方法を6つのポイントに分けて解説しています。

生活費の3~6ヶ月分を普通預金に貯蓄する。

著者達はまず生活費として3~6ヶ月分を普通預金に預けて確保することを勧めています。

管理人はFP2級を持っていますが、会社員や公務員など安定した給与所得がある場合は、何かあってもすぐに解雇される心配はあまり高くない上、高額医療費制度や雇用保険制度などもあるので生活費の3ヶ月分で十分と考えます。逆に個人事業主の方などは、働けないと収入がストップしてしまうので、事業の借り入れの有無やお仕事内容によりますが1年以上の生活費があったほうが安心と考えます。

リスク資産の割合を決める。

残ったお金をどの程度リスク資産に振り分けるかを決めます。リスク資産の説明は本文中の記述が非常にわかりやすいので引用させていただきます。

リスク資産の額は「最悪の場合1年後に3分の1程度損をするかも知れないが、同程度の確率で4割くらい儲かる場合もあり、平均的には年率5%程度の収益率が見込める資産をいくら持つか」と自問して決める。「運用資金 」から「リスク資産」を差し引いた残りを「無リスク資産」と呼ぶ。

引用:全面改訂第3版 ほったらかし投資術 朝日新書

リスク資産には多く配分すればするほど、高いリターンを実現できます。例えば、リスク資産が80%ならば、全世界株の期待収益を5%とすると、5%×80%で期待リターンは資産の4%、半分なら5%×50%で資産の2.5%です。

S&P500などに並ぶ優良なインデックスに投資するので、景気減退局面で下落しても、売らずに持っていることでまた値を戻すと考えます。(管理人の投資人生15年で何度もこういったことを経験しています。)

ちなみに著者の水瀬ケンイチさんは購入後の売却は行わず、インデックス投資を続けることで1億円を超える資産を築かれています。

無リスク資産は銀行預金する。

本書では、無リスク資産の置き場所として「1人1行1000万までの銀行預金」と金利上昇リスクに強い「個人向け国債 変動金利型10年満期」をおすすめされています。

管理人がの感想としては、日本は金利を低く抑える政策をとっているので、無リスク資産は銀行預金だけで十分かと思います。ちなみに、著者達もネット銀行では個人向け国債の利率を超えることがあり、「1人1行1000万」までで利用するのは合理的としています。

一つの銀行で預金保護額の1000万を超える場合は、1000万円を超える分を別の銀行へ預金すれば、その銀行でも1000万までの預金保護を受けられます。

リスク資産はすべて全世界株式インデックスファンドで運用する。

前述の「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動するインデックスファンドにリスク資産を全て投資します。全世界に十分に分散されているため、1種類のファンドだけで完結できます。

NISAや積み立てNISA、iDeCoなど税制優遇口座を最大限活用する。

現在、値上がり益と配当金には20.315%課税されます。そのため、非課税で運用できるNISAや積み立てNISA、iDeCoなど税制優遇口座を最大限活用します。

第一の選択肢として年末調整や確定申告で小規模企業共済等掛金控除で税額軽減が受けられるiDeCoをお勧めされています。(ちなみに夫はidecoで掛け金の二割程度の額、所得税が軽減されています。)ただし、60歳になるまで引き出せないという強い資金拘束力がネックです。

第二の選択肢として運用益が非課税であり、途中で資金が引き出せるNISAや積み立てNISAがおすすめされています。(ただし、売却した場合、投資枠は戻らないので基本は長期保有します。)

積み立て投資で行う。

ドルコスト平均法を用いて積み立てることで、上昇時に高値で取得しすぎることを防ぎ、下落時に多くの口数を取得することができます。短中期的には下落もありえますが、長期的には世界経済は成長を見込める可能性が高いので、全世界株式への投資はドルコスト平均法との相性は良いといえます。

しかし、著者達はまとまった資金がある場合には一気に投資したほうが運用できる期間が長くなり、株価が読めないものという前提に立てば、一括投資のほうが合理的であるケースが多いともしています。

以上、6つのポイントに分けて解説しましたが、原著では詳細な解説が行われているので、詳しく知りたいと思われた方はぜひ原著を読んでみてください。

手間がいらないのも大きなメリット

水瀬さんは投資を始めた頃は個別株投資をされていましたが、仕事中も株価が気になったり、休日は銘柄分析で潰れてしまったり、私生活に悪影響があったそうです。

インデックス投資に切り替えてからは基本的に定期的な買付だけでトレードはしないため、株価が気になることが減り、分析も必要なくなったことで投資をしていなかった頃の自分らしい生活に戻ることができたと回想されています。

インデックス投資の手間のいらなさは私生活が忙しい人に特に向いているとしています。

結論:投資にほとんど手間を掛けず、ベテランやプロがうなるリターンを得られる可能性が高い投資方法

うさぎくん
うさぎくん

一本しかファンドを買わないのにプロをうならせる成績ってほったらかし投資ってスゴイ!

ふくろうさん
ふくろうさん

私も投資のパフォーマンスを上げるためにいろいろやっているけど、20年後にほったらかし投資だけでやってきた人の成績を上回れるかはわからないわ。

管理人の夫はFP2級をもっていることで、よく友人や職場の同僚から資産運用について聞かれることがあるのですが、まだ投資を始めていない人には必ずこの「ほったらかし投資」を勧めると言っています。

管理人は様々な投資本を読んできましたが、これ程、明確に投資対象を一つに絞ったわかりやすい本はこの本と「ジェイソン流お金の増やし方」くらいです。

リスクに対するリターンも十分で、これ以上に簡単かつ手間のいらない投資はなかなかないので、ぜひ本書を一読いただき、一つの手法として検討していただければとさいわいです。

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