
ぼくももう社会人3年目か~
投資も始めたし、仕事でもステップアップしたいな~

なら、日商簿記の3級を取ってみるのがいいわ
働く上でも役立つし、株式投資の理解が深まるわよ
この記事では、会社員や個人事業主で仕事をする上で役立つのはもちろんのこと、株式投資の理解が深まる日商簿記3級(以下、簿記3級)を取得するメリットを解説していきます。加えて、勉強方法や勉強時間、管理人の合格までの流れも記載しますので、合格までの道筋もイメージできるかと思います。社会人としてステップアップしたい方、株式投資の理解を深めたい方はぜひ取得を考えてみてはいかがでしょうか?
この記事からわかること
- 簿記3級を取得すると良い人
- 簿記3級を取得するメリット
- 簿記3級の合格率
- 取得に必要な勉強時間
- 合格者が勧める勉強法
- 実際の試験について(費用や受験形式など)
- 試験の効率的な解き方
簿記3級を取得するメリット
簿記は日々のお金の出入りを把握して、会社の資産や借金などの財産の状況と利益の状況を明らかにするための財務諸表を作るためのスキルです。
特に事務職や経理の仕事に携わる場合に重宝されるスキルですが、それ以外の部署にいる場合でも取引先の経営状態を把握するのに役立ちます。例えば、それまで仕入れ代金をすぐに振り込んでくれていた得意先が急に「しばらくは約束手形で支払いたい。」と言ってきたらどうでしょうか?簿記の知識があれば支払える現金(当座預金)に余裕がないのではと考えを巡らせることも容易です。手形が不渡りになれば、貸倒損失が出るので、上司に念のための報告を入れておけば評価されるかと思います。
会社に努めていない方には必要ないかといえば、そうではありません。就活中の場合は履歴書に書くことで基本的な経理の知識があることがアピールできるので、資格のない就活者に比べて一歩抜きん出る事ができます。自分で事業をされている個人事業主の方は、確定申告や日々の会計処理に役立つ上、行っている事業の状態について分析しやすくなり、得るものが非常に多くあります。
また、投資を行う上でも活躍します。上でも述べましたが、最終的に財務諸表を作成するスキルであるため、財務諸表を深く理解して個別株へ投資することができ、個別株へ投資を行う方は特に取得するメリットがあると言えるでしょう。
簿記3級の合格率は?
執筆時点で直近3回分の会場試験を対象に、合格者の数(52,578人)を実受験者の数(129,967人)で割りましたところ、合格率は40.5%でした。合格者20%台のハズレ回を1回含んでいるので、概ね45%程度という認識で良いかと思います。
管理人もなんとか一発合格できましたので、十分に対策して臨めば、合格できる難易度かと思います。
現時点での合格率はこのリンク「商工会議所3級受験者データ」で確認できます。
取得までにかかる勉強時間
簿記3級の合格までにかかる勉強時間は一般的に100時間程度と言われています。管理人の場合、知識ゼロの状態から始めて、勉強開始から受験まで5週間程度の期間勉強し、平日は朝夜合計で2時間程度、休日は子どもの世話などもありながらも4時間程度は確保していました。計算上は94時間程度になりますが、勉強時間が短い日やサボってしまった日を除外すると80時間程度となると思います。また、管理人の使っていたeラーニングサービスのスタンディングでは講義ビデオを音声ファイルとして再生できるので通勤時間も車の中で聞いて復習していたのでそれを入れると100時間程度になります。
簿記は貸借一致などの独特の考え方に早く馴染めるかで勉強の飲み込みが変わってきます。簿記の考えにすんなりと馴染める人や予備知識を多く持っている人は100時間もかからない可能性が高いですが、管理人のように知識ゼロの状態から始める人は100時間が目安となるでしょう。
おすすめの勉強方法(サービス、本など)
先に書きましたように簿記には独特の考え方に馴染む必要があるので、基本的には講義を聞いて学習するというのが理想です。しかし、対面の簿記のスクールはいいお値段がするので、eラーニングで行うのが良いかと思います。以下におすすめ順で紹介します。
スタディング(講義の質が高く、費用も安く、スマホ学習対応)
管理人が使っていたサービスです。講義動画を視聴して学習した後、内容に関係する問題を解くという流れで学習を進めていきます。間違えた問題が記憶されるので、復習して解くことで効率よく勉強が進められます。
費用が執筆時点で3850円と安いのに、非常に内容が充実しているので、おすすめです。2級コースとなるとまずまずのお値段ですが、3級は関連資格を購入してもらう入り口なのかバーゲンプライスという印象の値付けです。
難点としてはテキストがPDFのダウンロードやスマホでの閲覧となるので、紙で用意したい方は別途印刷する必要があり、プリンターがあったほうがいいです。あとは後述のクレアールと違って疑問点を質問することができません。(価格が半額以下なので、サポートを取るか、価格を取るか迷うところです。)
簿記講座のページはこのリンクからアクセスできます。なお、全体ページヘは下記のバナー画像からアクセスできます。

クレアール(最強の質問サポート体制)
スタディングと同じeラーニングサービスですが、こちらは執筆時点で基本価格14800円です。しかし、ほぼ毎月限定割引を行っているので執筆時点で10064円でした。オプション価格はDVD化した動画は多くの人には必要ないですが、3000円の問題集は検討の余地があるかもしれません。
クレアールの凄い点はそのサポート体制です。スタディングとの差額で、このサポート体制を買っているという認識で良いかと思います。メールでのサポートはもちろん、通話無料のスカイプ(ビデオ電話)に対応しているので、わからなければプロの講師に聞けるという絶大な安心感があります。
管理人は試験第2問でよく出題される「勘定記入」の問題の理解に詰まり、時間がかかったので、クレアールで勉強していたら迷わず聞いていたと思います。すべての内容を確実に理解してから試験に望みたい方におすすめなサービスです。
簿記講座のページはこのリンクからアクセスできます。
書籍で学習をすすめる(値段に対しての内容の充実度が凄い)
独学で資格取得といえば、テキストを購入して自学自習するのが一般的かと思います。管理人も学習を始める前に書店に行き、テキストを手に取ってみたところ、価格に対しての内容の充実度は凄いものが有りました。
特に良かったものとして『スッキリわかる 日商簿記3級 テキスト&問題集 [模擬試験プログラム 仕訳Webアプリつき] (スッキリわかるシリーズ)』は資格スクール大手のTACが、TAC出版として出版しているものであり、大変質が高かったです。しかもネット試験を体験できる模擬試験プログラムや仕分け練習アプリがついて、1100円です!
また、対応している問題集として『スッキリうかる 日商簿記3級 本試験予想問題集』もあります。
大変良いテキストだったものの、簿記は独特の考え方に馴染むのが難しくため、講義動画を見たほうが理解が容易と考えてスタディングを選びました。値段的に、テキストと問題集を買うと約2200円で、スタディングはキャンペーン割引を行うと差額が1000円強であったため、1000円強で講義動画を見られるとお得感を感じたのもあります。しかし、本書での学習も十分検討できる選択肢だと思います。
【簿記系YouTuber?】ふくしままさゆきさんの動画(無料の高品質動画)
無料で学習を進めたい場合は非常に高品質な簿記学習動画を出されている、ふくしままさゆきさんのyoutubeチャンネルがおすすめです。
引用:【簿記系YouTuber?】ふくしままさゆきさんのチャンネルより
テキストのKindle本はなんと99円と爆安!
ホントにゼロからの簿記3級 『ふくしままさゆきのホントに』シリーズ管理人もはじめに検討し、いくつか動画を視聴したものの、youtubeなので仕方ないとはいえ、広告動画がながれて学習が中断される上、いつも見ている娯楽系のチャンネルを見てしまうなど効果的な学習は難しいと判断しました。
しかし、動画自体は高品質ですので、別のチャンネルの誘惑に勝てる方やYoutubePremiumに加入していて広告が流れない方にはおすすめです。特にYoutubePremiumに加入済みであればバックグラウンドで音声が再生できるので、復習時に聞き流すのにも向いています。
学習後に受ける簿記3級試験について
学習後には簿記3級の試験をうけることになりますが、会場で受ける紙の試験と、テストセンターで受けるパソコンを使った試験(CBT方式)の2種類があります。
どちらも一長一短がありますが、管理人はCBT方式で受験しました。
会場で受ける試験(紙で受けるテスト)
会場での試験は年3回程度行われています。日程は前後しますが、管理人が受験した年度では6月、11月、2月に試験が行われていました。なお、執筆時で費用は2850円です。
紙の試験の利点としては、問題用紙に書き込みながら問題を解けることと、パソコンへ打ち込む時間が必要なく、打ち込みミスも防げる点です。管理人は思ったより早く勉強が進んだのでCBT方式で受験しましたが、書き込みながら問題を解ける点は魅力だったので日程が合えば、こちらの方法で受験していたと思います。
難点としては、日程が固定されていることです。CBT方式ならテストセンターに空きがあれば、すぐに受験できます。管理人の地域は2~3日先の予約はいっぱいだったので、一週間程度先に予約を入れることで受験できました。しかし、目標を定めて勉強ができるので、難点と感じない人もいるかと思います。
CBT方式で受ける試験(パソコンで受けるテスト)
管理人はこちらの方法で受験しました。こちらはテストセンターさえ空いていれば、予約を入れて日程を選ぶことができます。この日程が選べるというのが最大の利点で、合格の自信がついた時点ですぐに受けられます。しかも、試験終了時点で合格もわかります。もし、苦手な問題が出て落ちてしまった場合もすぐに受け直すこともできます。
難点としては、会場試験の利点の逆でパソコンで問題が出題されるため、問題用紙のように書き込めない点とパソコンへ打ち込む時間が必要で打ち込みミスが起こる可能性です。また、CBT試験の場合、提携会場の使用料や外部予約サイトを用いるためか、試験費用2850円に加えて、550円が追加でかかり、合計3400円が必要となります。
なお、問題はパソコン表示されますが、計算用紙として白紙のA4用紙が2枚、筆記具としてボールペンが配布されます。別途、計算機は用意する必要があります。(会場によって筆記具は異なるかもしれませんが、計算用紙はもらえるはずです。私の受験した会場では筆記具が持ち込み不可でした。)
ちょっとした難点もありますが、自信がついた時点で受けられるのは、資格取得にかかる時間を減らすことができるので魅力的な方法と言えます。
ちなみに下が管理人が実際に使用した計算機です。規定に対応しており、打ちやすく使いやすかったため参考に載せております。(基本的に自宅にあるもので問題ありませんが、入力速度にかかわるので0を2回打てる「00」がついているものが望ましいです。)
実際の試験問題について
テストは第1問の仕分け、第2問の補助簿・勘定記入・伝票記入、第3問の財務諸表関連と大きく3つに分かれています。
人によって問題を解く速さは様々だとは思いますが、管理人が取り組んだ印象では多くの人にとって時間が足りなくなると思います。よって、効率的に問題を問いていく必要があります。
問題を解く順序
問題を解く順というのは、最適解が出ていて、「第1問」→「第3問」→「第2問」の順で問いていきましょう。管理人が利用したスタディングでもこの順で問いていく方法を勧めていました。
この順は難易度順であり、第1問は最も簡単です。第1問は1問で完結しているので、1箇所間違えても別の箇所に響きません。第3問目は全問正解できなくてもかなり部分点が拾えるので、最後に取り掛かって時間が無くなることを防ぐため、第2問をとばして、先に解きましょう。第2問目は伝票記入を除いて難易度が高い傾向があり、小問が2つある場合が多く、小問を完全正解しないと点にならないような出題のされ方も見受けられるため、確実な得点が難しいので最後に回しましょう。
各問題の配点と目標点
簿記3級は100点満点中70点以上が合格です。基本的には第1問で可能な限り得点し、次に解く第3問で部分点を多く拾い、最後に解く第2問で少しでも加点するというイメージです。
配点や目標点のイメージは下を参照してください。
第1問 仕分け
- 配点:45点(仕分け問題15問、各3点)
- 目標点:36~39点(2問か3問間違いまででクリアしたいところ)
- 難易度:簡単(あまりひねった問題は出題されません)
第2問 補助簿・勘定記入・伝票記入
- 配点:20点(2問に分かれており各10点)
- 目標点:10点(5割ですが、補助簿と勘定記入で出ると厳しいかも)
- 難易度:難しい(伝票記入は解きやすく出るとラッキー)
第3問 財務諸表関係
- 配点:35点(各箇所に配点が割り振られいるため、部分点を取りに行く)
- 目標点:25点以上
- 難易度:普通~難しい(十分勉強できていればかなり部分点を取れます)
*最後の貸借一致していると高得点が期待できますが、どこか1箇所でも間違っていると一致しないことが多いので、最後の貸借一致が成立していなくてもある程度部分点は期待できます。
管理人のテスト結果からの反省点(時間が足りない)
管理人のテスト結果はというと第3問に時間をかけすぎたため、第2問に時間が割けず、第2問はかなりの部分を適当に記入することとなりました。管理人の解く速度が遅いというのもありますが、時間に余裕のある人は少ないのではと思います。
結果は適当に答えた第2問は全滅の0点でしたが、第1問42点、第3問32点の74点で見事合格できました!スタディングで基礎的な知識をしっかりとつけられたのが勝因かと思います。
合格証書はまさかの電子データ
管理人が受けたCBT試験の場合は、試験が終わるとすぐに結果が表示されます。合格した場合は、合格証書へのリンクが記載された紙がもらえるので、そこからダウンロードして印刷できます。FP試験のようにできれば紙の合格証書がもらえたほうが有り難みが増しますが、そこは合理化でしょうか・・・
個人情報は塗りつぶしておりますが下記のような合格証書です。

まとめ:役立つ範囲が広く、何か資格を取りたいと思ったときの筆頭候補!

私は事務職だから簿記は必須スキルだわ
個別株の分析にも活躍するからオススメよ

自分の会社や取引先の理解も深まりそうだし、個別株投資をしているぼくにもピッタリの資格ですね!がんばってみようかな~
メリットで解説しましたが、一部の人だけでなく多くの方に有効な資格であるため、何か資格を取りたいと思った方は簿記3級かFP3級のいずれかの取得を考えてみるのがよいと思います。
管理人は簿記3級取得後に個別株投資を本格化させたので、財務諸表の理解度が増したのが一番の利点でした。それまでは、十分な分析なしに個別株へ手を出すのが怖く、インデックス運用が大半で、個別株は優待銘柄のみへの投資でしたので、取得したことで納得感を持って投資することができるようになりました。
役立つ場面が広いのが簿記3級の良い点なので、スキルアップのために資格取得される場合は候補の筆頭かと思います。
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